来年の世界景気回復を先取りする株価、再来年の世界景気は減速か

 日経平均が11月以降、急騰してきたのは、2021年の世界景気回復を織り込む動きと考えています。世界景気の大底は4~6月で、7月から回復が始まっているのはほぼ確実です。まだ、回復力は弱いが、来年になった新型コロナ・ワクチンが大量に供給されるようになると回復が加速すると予想しています。

 来年の景気回復をけん引する要因として、以下4つを想定しています。

【1】ワクチンの大量供給により新型コロナ収束に向かう
【2】第4次産業革命が世界中で加速
【3】資源安メリットが出現
【4】コロナ対策として、世界各国が大型財政出動・金融緩和を継続

 私は、来年になると新型コロナの予防ワクチンが大量に供給され、世界経済が正常化に向かい世界景気の回復が加速することを、メインシナリオとして想定しています。そのメインシナリオを織り込むのが、今の株価の動きと考えています。

 巨額の財政出動と、大規模な量的金融緩和が続く中で、コロナが収束に向かえば、世界景気がやや過熱する可能性もあると考えています。米国では来年1月に始動するバイデン政権が、巨額の財政出動を行う見込みです。大規模の金融緩和はそのまま続けられる見込みです。そこに、ワクチン供給による経済正常化が重なれば、一時的に景気が過熱することも十分あり得ると思います。

 来年後半、コロナ収束・大型財政出動・金融緩和が重なって、世界景気がやや過熱きみに回復する場合、再来年には、その反動が出ます。つまり、2021年、世界景気が急回復したのち、2022年は再び世界景気が減速する可能性があります。

 来年後半の日経平均は、再来年の世界景気を織り込みます。それを前提に考えると、来年の日経平均は、年央高で、年末にかけて下げるイメージとなります。