今日の注目通貨

ドル/円:今週のレンジ 103.10円 から 105.30円

 今回の雇用統計が重要だといわれたのは、この結果がFRB(米連邦準備制度理事会)の政策と米景気刺激策に大きな影響を与える可能性があるからです。11月雇用統計では、非農業部門の雇用者数は予想より少なかったのですが、それよりも失業率が低下し続けていることが注目されています。そして先週の為替Walkerでも指摘した平均労働賃金の上昇率。

 失業率が6.7%まで低下し、平均労働賃金が前年比4.4%に上昇したことで、FOMC(米連邦市場委員会)が今月15、16日に開く今年最後の会合において、債券買い入れの満期延長などの追加緩和策を行う理由がなくなりました。

 賃金上昇は消費意欲を高め、物価上昇につながると考えられています。FRBはインフレが多少上昇したところで利上げしないと約束していますが、利下げする必要はもっとありません。逆に一部のFOMCメンバーからは「緩和縮小」を検討すべきとの意見もでています。

 さらに、今回の雇用統計は、米議会の共和党上院に、バイデン民主党が提案する大型景気刺激策を「支持しない」理由を与えました。両党は景気刺激策の予算規模を巡って対立が続き、年内成立の見込みはもともと低かったのですが、失業率が低下しているなかで焦る必要はないということで、成立がさらに後ずれすることもありえます。株式市場の好調を支えているのはワクチンと米景気刺激策の早期成立。そのひとつが怪しくなったのは心配です。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。