2.2020年10月期4Qは24.9%増収、48.5%営業増益
アプライドマテリアルズの2020年10月期4Q(2020年8-10月期)は、売上高46億8,800万ドル(前年比24.9%増)、営業利益12億8,300万ドル(同48.5%増)となりました。四半期としては過去最高の売上高、営業利益でした。
セミコンダクター・システムズ(半導体製造装置)の2020年10月期4Q売上高は30億7,000万ドル(前年比33.4%増)、営業利益は10億5,900万ドル(同65.2%増)と好調でした(表4)。セミコンダクター・システムズの用途別売上構成を見ると、ファウンドリ(半導体受託生産業者)・ロジックその他向けが58%と最も多く、DRAM、フラッシュメモリ(NAND等)向けが各々21%でした(2019年10月期4Qも同じ)。2020年10月期3Qのファウンドリ・ロジックその他の売上構成比も55%なので、前期はファウンドリの設備投資増加にけん引されました。ただし、DRAM、NANDも一定の投資がありました。
2020年10月期4Qの地域別売上高を見ると(表6)、2020年10月期3Qとの比較では韓国向け以外が増加しました。韓国向けも前年比では52.7%増となりました。これは、DRAM、NAND向けだけでなく、サムスンが注力しているファウンドリ向け製造装置が増加したためと思われます。
また中国向けは2020年10月期3Q14億7,000万ドル→2020年10月期4Q15億7,600万ドルと高水準でした。これもファウンドリ・ロジックその他向けが中心と思われますが、メモリ向け製造装置も含まれていると思われます。西側半導体メーカーからのファーウェイ向け半導体輸出は9月15日以降ほぼ停止となりましたが、9月14日までに半導体だけでなく、半導体製造装置でも中国半導体メーカー各社による駆け込み調達があったと思われます。
これによって、2020年10月期通期は、売上高172億200万ドル(同17.8%増)、営業利益43億6,500万ドル(同30.3%増)となりました。
表3 アプライドマテリアルズの業績
表4 アプライドマテリアルズ:セグメント別業績(四半期)
表5 アプライドマテリアルズ:セグメント別業績
表6 アプライドマテリアルズの地域別売上高
3.2021年10月期1Qの会社側売上高ガイダンスは前年比14.1~23.7%増。2021年10月期も業績好調が予想される。
2021年10月期について、会社側は1Qの業績ガイダンスを示しています。それによれば、2021年10月期1Q売上高は、47億5,000万ドル~51億5,000万ドル(前年比14.1~23.7%増)となる見込みです。2020年10月期4Qに比べて増収になる見込みであり、2021年10月期も好業績が予想されます。
リスクは2020年10月期に大きく伸びた中国向けの反動があるのではないかということですが、半導体設備投資の基調が強く、台湾、韓国、アメリカ等の設備投資増加で補うことが期待できます。
そのため楽天証券では、アプライドマテリアルズの2021年10月期を売上高205億ドル(前年比19.2%増)、営業利益55億ドル(同26.0%増)、2022年10月期を売上高240億ドル(同17.1%増)、営業利益67億ドル(同21.8%増)と予想します。引き続き好業績が続くと予想されます。
4.今後6~12カ月間の目標株価を110ドルとする。
今後6~12カ月間の目標株価を110ドルとします。楽天証券の2021年10月期予想EPS 4.95ドルに成長性を考慮して想定PER20~25倍を当てはめました。中長期で投資妙味を感じます。
なお、半導体デバイスと半導体製造装置セクターの今後の見方については、楽天証券投資WEEKLY2020年11月27日号を参照してください。