個人投資家のESGへの関心が高まっている

 ESGに関心を持つ個人投資家が増えています。そこで、具体的な投資ツールとして関連したETFや追加型投信を一覧しました(図表3)。 

 上述したESG重視型米国株式指数に連動を目指す米国ETF(SUSA)をはじめ、国内のESG重視企業に分散投資する東証上場ETFもあります。最近(3カ月前比騰落率)は東証上場ETFの上昇率が強い点に注目です。また、追加型投信には世界のESG重視企業にグローバル分散投資するファンドがあり「年初来リターン」で堅調です。

 こうしたファンドは、バイデン前副大統領が大統領選挙で優勢となった夏ごろから堅調となってきました。投資テーマの一つとして「環境問題への取り組み」が注目されたことが背景です。バイデン氏が新大統領に就任すると、伝統的なエネルギー株(石油・石炭企業)が劣勢となり、クリーン・エネルギー関連株が優勢を維持する可能性が高いと考えられます。

 図表3のなかで、「HSBC ESG米国株式インデックスファンド」は11月27日に設定された新しいファンドです。特に、信託報酬率が比較的低い(0.2765%)インデックス型米国株式投信として注目したいと思います。

<図表3>注目したいESG重視型ファンド

*上記は参考情報であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年12月3日)

 本年はパンデミック(新型コロナウイルスの世界的流行)が社会と経済に与えた影響は甚大でした。今後何年にもわたり人類の生活やビジネスのあり方に影響をもたらすと思われます。こうして社会問題への関心が高まるなか、投資判断でも持続的な成長を重視する「サステナブル(責任)投資」の目線が高まってくるとされます。

 ESG投資を取り込む資産形成(ポートフォリオ運用)を考える上で、上記したファンドを活用することにより長期分散投資を実践いただけると思います。

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