ランキング上位銘柄は決算内容がポジティブに受け止められた

 株価が大きく上昇した武田薬品(4502)がランク外となった一方で、今月に新たにランクインした銘柄はアサヒHLDG(5857)となります。月前半にかけて年初来高値を更新しましたが、その後は月末にかけて利食い売り優勢の展開が続きました。金相場の下落が売り材料視されたものとみられます。

 株価が下落して利回りが上昇した銘柄では、米大統領選挙におけるバイデン候補の勝利で石炭火力に強みを持つ電源開発(9513)が売り優勢となりました。熊谷組(1861)は決算発表で出尽くし感優勢に、西松建設(1820)は上半期決算がネガティブ視されました。

 11月は7-9月期の決算発表が本格化し、主な株価の手掛かり材料となりました。ソフトバンク(9434)三菱UFJ(8306)など、ランキング上位銘柄は総じて決算内容がポジティブに受け止められました。

 とりわけ、年間配当金計画を前期同様の76円とした他、発行済み株式数の4.0%に当たる5,000万株を上限とする自社株買いの実施を発表したオリックス(8591)に評価が高まり、株価上昇によって配当利回りランキングの低下につながりました。

 一方、業績予想を上方修正し、自社株買いも発表したMS&AD(8725)などには出尽くし感が強まる流れとなりました。

 今後の相場の注目点として、新型コロナウイルスワクチンの接種スタートなどが挙げられます。初期段階で副作用例などが報告されなければ、先行きの経済正常化への期待が一段と高まることになりそうです。

 世界的な金融緩和の動きも一段落していくことが想定され、米国長期金利などの上昇も期待できることになります。その際には、高配当利回りなどのバリュー株にあらためて関心が高まっていく公算が大きいでしょう。金融関連株の他、景気敏感株の代表セクターでもある総合商社などに注目です。