先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は“おおむね強かった”と書きました。過剰とも言える好ムードが幅広い市場を覆ったことが要因とみられます。
パリ協定への復帰、クリーンエネルギーを重用することを標榜するバイデン氏が大統領選挙での勝利宣言をしている中で、原油や天然ガスが他の主要銘柄を抑えて大きく上昇しました。
足元、原油や天然ガスといった、バイデン氏の勝利宣言を機に下落してもおかしくない化石燃料の価格をも上昇させる程の、過剰感を伴った好ムードが、幅広い市場を覆っていると筆者は考えています。過剰感を伴った好ムードの根底には、複数の強い“期待”が存在します。
バイデン氏が勝利宣言をしたことで、世界に広く存在する、環境や人権に関わる問題が解決される期待が高まっています。また、複数の会社の新型コロナワクチン開発が実用化の段階に達し、これまで半年以上にわたってさらされてきた同ウイルスの脅威から抜け出すことができる期待が高まっています。
ただ、期待は“まだ起きていないことへのプラスの思惑”と言えます。期待はあくまで期待であり、実態ではありません。仮に、化石燃料や主要株価指数が“期待”で上昇しているのであれば、その上昇は、実態が伴っていないことになります。
実態が伴っていない上昇は、常に、下落するリスクをはらみます。例えば、経済指標が悪化するなど、データが示す“実態”の悪化が示された場合、実態を伴わずに上昇してきた相場が、不安定化する可能性があります。
今後は特に、価格が上昇している様を、後付的に解釈するのではなく(良い情報だけに注目するのではなく)、そもそも、一連の上昇が不安定な土台の上で起きている可能性がある点に、留意することが必要です。
今週は、主要国のPMI(製造業購買担当者景気指数)や米雇用統計など、市場に与えるインパクトが比較的大きい経済指標が公表されます。このような過剰感を伴った上昇が起きている今だからこそ、経済指標の内容を、慎重に見守る必要があります。
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