日経平均の構成銘柄:ウエイト上位銘柄をチェックする
日経平均(日経平均株価)は、東証1部上場企業(約2,000社)のなかから、日本経済新聞社が流動性(市場性)や業種バランスを考慮し選定した225銘柄で構成されています。
日経平均は、TOPIXやS&P500指数のような時価総額加重平均指数ではなく、単純平均株価指数(過去に実施された株式分割などを調整する除数で修正される)ですので、時価総額が大きい銘柄より、株価水準が高い銘柄(値がさ株)の構成ウエイトが高く、日経平均の変動に対する寄与度(構成ウエイト)も高くなっています。換言すれば、株価水準が高い銘柄の指数寄与度は大きく、株価が低い銘柄の寄与度は小さくなる特徴があります。
図表3は、日経平均を構成する銘柄のうち構成ウエイトの降順(高い順番)で30銘柄を一覧にしたものです。これら30銘柄で、日経平均の銘柄ウエイトで約65%を占めています。
参考情報として、「年初来騰落率」、「予想配当利回り」、「来年度予想PER(株価収益率)」、「再来年度予想PER」も加えました。ウエイト1位のファーストリテイリング(9983)の株価は8万円台、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、ダイキン工業(6367)は2万円台から3万円台で「値がさ株」と呼ばれます。ソフトバンクグループ(9984)は6月27日に1対2の株式分割を実施し、分割前比で株価は2分の1に低下しましたが、発行済株数が2倍となったために指数ウエイトは2位で変わっていません。
注目点は、ウエイト上位銘柄それぞれの年初来騰落率が概ね日経平均の年初来騰落率(+7.9%)を上回っていることです。エムスリー(2413)の株価は年初来149%上昇して構成ウエイトは6位に浮上してきました(20日時点)。こうした上位銘柄をみると、コロナ危機で被った一時的な業績低迷を乗り越え、DX(デジタル・トランスフォーメーション)進展と外需の持ち直しで業績が改善あるいは収益を安定的に拡大している企業群が多いことがわかります。
近年、「NT倍率」(日経平均÷TOPIX)は上昇傾向を辿っており、日経平均のパフォーマンスがTOPIXを凌いでいます。こうした点に注目し、日経平均のウエイト上位銘柄から複数銘柄を選別してバスケット投資(分散投資)する戦略も検討したいと思います。
<図表3>日経平均の「ウエイト上位銘柄」をチェック(参考情報)
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