ドル/円は米金利との連動性が高く、ポジション調整的な動き

 ドル/円は、上院選で共和党優勢の報道からトリプルブルーの期待が後退し、金利が低下したことによってドル安となり、103円前半まで下落しました。その後、ワクチン開発報道によって金利が急騰し、株上昇とともにドル/円の円買いポジションが巻き戻され、一気に105円台半ばまで上昇しました。この動きを見ていると、ドル/円は米金利との連動性が高く、ポジション調整的な動きだったということが分かります。

 米10年債金利は1%をうかがう上昇となりましたが、今後、この動向には注視しておく必要があります。金利水準が1%以上になれば、1ドル=108円、110円の円安になる可能性が出てきますが、ワクチン開発によって新型コロナ感染拡大が今すぐ急停止するわけではないと考えれば、期待だけでは金利1%超えの水準にとどまるシナリオは遠いかもしれません。今後は、新政権の政策や人事をにらみながら1ドル=105円を中心としたレンジで動くかもしれません。

マーケットが注目する財務長官人事はドル安論者?

 バイデン新政権の閣僚人事でマーケットが注目するのは財務長官人事ですが、有力視されているのはブレイナードFRB(米連邦準備制度理事会)理事です。ブレイナード理事はハト派(金融緩和派)だけでなく、ドル安論者という声も聞こえてきているため、人事が発表されれば為替がドル安に動く可能性もあるため留意しておく必要があります。