抗体とワクチンはどう違う?

 さて、ここで今一度「抗体とワクチンはどう違う?」という点をハッキリさせておきたいと思います。

 抗体とは人体に脅威が侵入してきた場合、それを跳ね返そうとする自然なカラダの反応の中で作られる、特定の血液タンパク質を指します。

 一つの細胞をベースにしてそのクローンを作成する試みがモノクローナル抗体です。

 モノクローナル抗体は既に新型コロナにかかった患者に対し治療薬として投与することもできますし、新型コロナにかかる前の健康な人に予防的に投与することもできます。

 問題は、抗体は製造が難しく、コストも高い点にあります。

 一方、ワクチンは健康な人に対してある伝染病への免疫をつけるために予防的に投与されます。国民の多くに行き渡る必要があるのでワクチンは大量生産かつローコストであることが必要となります。

 このように抗体とワクチンでは数量と価格の面で全然違うのです。

 またFDAからの承認という観点からはワクチンの方がハードルは高いです。

 現在、新型コロナワクチン開発レースで先頭を走っている企業はバイオエヌテック(BNTX)です。同社はファイザー(PFE)と組んで第3相臨床試験中です。