トピック:ビットコイン先物の取組高と価格の連動性に注目

 以下より、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で売買されているビットコイン先物の取組高と価格に注目します。

図:CMEビットコイン先物の取組高と価格

出所:CFTC(米商品先物取引委員会)のデータをもとに筆者作成

 前回述べたとおり、取組高とは、“市場に流入している資金の規模”と言い換えられます。上図のとおり、CMEのビットコイン先物においては、その取組高と価格に、一定程度、連動性が認められます。

 どちらが先か、つまり、どちらが原因でどちらが結果なのかについては、議論の余地はありますが、連動性があるということは、疑似相関でないことを前提にすれば、2つは強く関わり合っていると、言えます。

 資金流入が原因で価格が結果なのであれば、資金が流入(流出)することで価格が上昇(下落)し、価格が原因で資金流入が結果なのであれば、価格が上昇(下降)すれば資金が流入(流出)する、となります。

 この点ついて、価格に関する議論でしばしば話題になる“効率的仮説”をもとに考えれば、「価格は、関係者が知り得るすべての情報を反映している(織り込んでいる)」ことになるため、資金流入(流出)という事実を織り込んで、価格ができている、つまり、資金流入(流出)が原因で、価格は結果、となります。

 では、どのようなタイミングで、ビットコイン先物に、より多くの資金が流入する(同先物の取組高がより増えやすくなる)のでしょうか。先述の“②無国籍かどうかを問わず、幅広いジャンルの資産は買われる”、のパターンだと、筆者は考えています。

 何かの代わりに相対的に買われる時よりも、幅広いジャンルの市場が総じて買われる、いわゆる“リスク・オン”(投資家がリスクをとって積極的に投資を行うムード)が強まっている時です。今年4月から6月ごろに発生した、株も金も、ビットコインも上昇した、あの状態です。

 米国の大規模な金融緩和のはじまりが、その時の“株高・金高・ビットコイン高”のきっかけになったとみられます。向こう数年間、その大規模な金融緩和を継続することを、同策を実施しているFRB(米連邦準備制度理事会)の要人がすでに示していることを考えれば、暗号資産価格は長期的視点において、同資産特有の大きなブレを伴いながらも、水準を切り上がっていくと、筆者は考えています。

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