「カンボジアの女性たちのデザインを使った商品を売るお店を、新しくプノンペンにできるショッピングモールに出そうとしていて、今、出資を募っています。
ただ、出資してもらっても、当面、配当を払える状況にはありません。寄付だと思って出資してくれる人を探しています。
すでに出資を決めて下さった方も多くいますが、目標額には達していない状況です。もし、出資金が集まらなかったら、事業をやめる覚悟でいます。」
普通、出資話といったら、「こんな事業を考えていて、将来、これぐらい拡大する計画です。その時には株の価値も上がり、貢献できると思います」というような話になるかと思いますが、「寄付だと思って出資してくれる人を探しています…」。
「この人は、正直で誠実な人だな。かつ、自分のためではなく、カンボジアの女性のために懸命に取り組んでいる。世の中にとって良いことをしている。この人は本気だ。」
彼女が決めた事業をやめる覚悟の期日も間近に迫っている中、私の心には「何とかしたい」という思いが込み上げてきました。
「私が出資をしてもいいですか?」
と尋ねると、彼女は私が出資するということは念頭になかったようで、一瞬びっくりした様子をしましたが、
「もちろん!」
こうして、私は出資することになったのです。
その後、不思議なことに、出資を決めた翌月、翌々月に、私が保有していた個別株が値上がりし、売却。ほぼ出資した金額がマーケットから戻ってきたのです。2014年4月、5月あたりの話なので、マーケット全体が上昇していた時期ではない時です。私は不思議な感覚をおぼえました。