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安倍首相辞任は株式市場にとっては無風

「安倍首相辞任ショック」は8月28日(金)の後場の急落→下げ渋りの動きで完全に株式市場に織り込まれました。8年近く続いた長期政権の終えんという観点からは「意外なほど無風」と表現してもいいでしょう。

 その背景には「安倍氏が政権の座を去っても安倍路線は続くだろう」という投資家の読みがあります。安倍政権の看板政策「アベノミクス」の事実上の継続を想定しているものと見られます。

 もともと安倍首相の任期は2021年9月末までと、残り約1年にせまっていたため、投資家は次政権へのシミュレーションがかなりの割合でできていたと思われます。

 次の自民党総裁(事実上の首相)は、自民党国会議員と同都道府県連の代表によって9月14日に選出されます。下馬評通りであれば、いやそもそも党内派閥の行動はおおむね想像がつき波乱が起こりにくいため、株式市場にとっては無風と考えられます。

 新総裁が取り組んできた政策に絡む銘柄や、出身地などと縁が深い銘柄が動意する可能性はありますが、短期間に終始し、全体相場への影響はほとんどないと思われます。

 安倍政権が築き上げた日本の政治の安定は揺るがず、「早期衆院解散、総選挙」となった場合も野党の支持が高まるわけではなく、政権交代が想定できない現状において株式市場に逆風となる可能性は極めて軽微でしょう。