短命政権が続く悪循環に陥ることはないか?
安倍首相の辞任表明を受け、来月(9月)半ばにも、自民党の次期総裁を選ぶ選挙が自民党内で実施される見込みです。それで安倍首相の後任が決まります。安倍首相が任期を残して辞任したため、次期首相の任期は、安倍首相が残した任期、2021年9月までとなります。
誰に決まっても、直接国民から選ばれたわけではないので、国民の信を問うために、近い時期に衆院の解散総選挙が行われる可能性が高いと言えます。
日本株式市場にとっての不安材料は、また、かつてのような短命内閣が続く時代に戻ることです。次期首相が、強いリーダーシップを発揮できず、2021年9月の任期切れで退任し、その後も短命内閣が続くようだと、昔に逆戻りです。
2001年以降の内閣総理大臣の在任期間
安倍首相は、中国との関係を改善し、トランプ米大統領とも強い絆を築きました。ただ、米中対立が今後激化する中、日本の外交政策は非常に難しい局面を迎えます。日本は、米国と中国との間で、踏み絵を踏まされる局面も出てくるでしょう。
強いリーダーシップを発揮できない短命政権に戻ってしまうと外交で不利になるし、日本株に投資する外国人の失望を買うことになるでしょう。
これから米大統領選が行われる11月まで、日本も米国も、政局が不安定となります。コロナを克服し、経済を回復する過程で、重大な不透明要因となります。