安倍首相辞任で日経平均急落

 先週の日経平均は、1週間で37円下がり、2万2,882円となりました。6月以降、続いてきたボックス圏の上抜けを試しつつあった日経平均ですが、安倍首相辞任でいったん、2万3,000円以下に戻された形です。

日経平均日足:2020年2月3日~8月28日

 経済再開にともなう景気回復期待から米国株の上昇が続く中、日経平均も25日には一時2万3,431円まで上昇しました。ところが、28日金曜日の午後2時過ぎに、「安倍首相が辞任の意向を固める」と報道が出ると急落し、一時前日比614円安の2万2,594円まで売り込まれました。引けは下げ幅を縮め、同326円安の2万2,882円となりました。

日経平均の8月28日(金)日中の動き

 2012年12月18日の解散総選挙で自民党が大勝し、民主党から政権を奪還、第2次安倍内閣が誕生しました。その直後の2013年には、アベノミクス(安倍内閣の経済政策)を評価する外国人投資家が日本株を15兆円あまり買い越しました。それ以降、外国人投資家は在任期間が歴代最長となった安倍内閣の「安定性」を高く評価してきました。

 実際、安倍首相がからむ解散総選挙では、以下の通り、自民党大勝・アベノミクス継続が決まる都度、それを好感した外国人の買いで、日経平均は上昇していました。

衆議院解散総選挙の前後の日経平均の動き:2005年~2017年に行われた5回の解散総選挙を比較

注:解散総選挙の投票日の1営業日前の日経平均の値を100として指数化。 横軸の0(ゼロ)は、解散総選挙実施日の直前の営業日。▲28は、その28営業日前、58は58営業日後を表す。実施年の右横に、解散総選挙の結果、成立した内閣を記載。楽天証券経済研究所が作成