延金術(2)使いながら運用する「3%運用」と、時間分散のコツコツ引き出し「4%引き出し」のススメ

 現役時代と比べて少なくなった収入と、資産の取り崩しで生活することになる退職後の人生ですが、使うだけでは、資産が枯渇することは目に見えています。そこで、少しでも資産を延命するために、「年率3%運用」と「年率4%引き出し」を紹介したいと思います。

時間分散のコツコツ引き出し「4%引き出し」

 現役時代からの積み立て投資などで、資産を作り上げることができた人は、出口戦略を考えましょう。いちばん大事なのは、資産を一度に売却してはいけないということ。一度に売却する場合は、そのタイミングが運命を決めます。もし、一度に引き出すタイミングがリーマン・ショック時のような相場だった場合、どうなってしまうのでしょうか。本当の破綻を迎えてしまいます。

 そこで、資産形成の基本として言われる「時間分散」で引き出すことで、相場状況に左右されることなく、ある程度、一定の成果をのぞめます。多めに売却額が出る場合もあれば、少ないときもある、平準化された状態にするのです。

 ただし、この引き出しは定額ではなく、定率で引き出す方法が有効です。この理由は後述します。

使いながら運用する「3%運用」

 現役時代は積極的に投資していた人は、退職後は投資をやめるということはないでしょう。引き続き資産運用していくことは、老後資産を延命していく上でも大事なこと。ただ、現役時代と比べてできるだけ無理をしない低リスク低リターンで運用していきましょう。

 私がおすすめしているのは、収益性を追い求めない年率3%を目指す運用です。