老後の生活費は率で考える

 老後の必要資金を考えるのに、全ての人に当てはめて一律いくらとすることはできませんが、これを個人の生活水準に沿って算出する計算式を紹介します。

 上記は、退職後の生活総額がどれくらいとなるか算出する計算式です。

 まず、退職直前の最終年収を当てはめます。退職までまだ時間がある方も、先輩などから退職直前の年収を推測してみてください。

 次に目標代替率ですが、これは退職以降、必要な年間収入(生活費)が最終年収の何%か、いわゆる生活費レベルを算定するものです。この目標代替率をパッと算定することはなかなか難しいかもしれません。ざっくりでもどれくらいの生活費が必要となるか想定することが大事ですから、フィデリティ退職・投資教育研究所が2009年の家計調査を基に推計した目標代替率平均である68%を仮に当てはめてもいいかもしれません。

 この最終年収と目標代替率に退職後生活年数を掛け合わせて、60歳以降の人生で必要な資金総額を算出します。退職後生活年数は、95歳まで生きることを想定して35年とします。

退職後に必要な生活資金総額のモデルケース

 上記は、最終年収600万円の人をモデルに算出した退職後生活資金総額です。1億4,280万円となりました。

 この生活資金総額から、年金受給額を差し引くと、自助努力で準備する資金が明らかになります。

年金受給総額のモデルケース

 上記は、年収600万円の家庭をモデルに算出した年金受給総額(*3)です。65歳から30年間受給する年金総額は8,640万円となりました。

*3 平成28年度の厚生年金保険・国民年金事業の概況データを参考に専業主婦世帯、共働き世帯の平均として算出