老後生活には1億円必要?

「老後生活に必要なお金は1億円!」。こういった雑誌やウェブサイトの記事はよく見かけますが、本当でしょうか。

 厚生労働省の調査を基に、60~95歳の35年間の平均支出額を算出すると1億440万円です(※2)。総額1億円を超えることは避けられないようです。

※2 厚生労働省「平成28年簡易生命表」よりフィデリティ退職・投資教育研究所の算出データ

 とはいえ、こうした計算はすべて平均データ。ここから自分にとって必要な資金は「1億440万円」と安易に設定することは危険です。一般に現役時の年収が高いほど、退職後の生活水準(支出)も高くなる傾向があります。そこで、それぞれの生活水準に合わせた計算をすることが大事になります。

 このそれぞれの生活水準に合わせて試算可能な方法の要が目標代替率。これは現役最終年収の何割で退職後の生活を賄うか考える一つの指標です。詳しくは次に紹介します。