クラウドビジネスとバイオテクノロジーがダウ平均をけん引?

 一方、「地球温暖化対策」や「脱・化石燃料」が重視されている産業・市場動向を勘案すると、ダウ平均を構成する30銘柄のうち2社が石油大手のエクソン・モービルとシェブロンであることがダウ平均のパフォーマンスに影響してきた印象も否めません。

 産業構造や株式相場の変化をけん引する主力企業の顔ぶれは時代とともに変わり、近年はIT(情報技術)、消費サービス、医療(特にバイオテクノロジー)業界の注目度が高まり、エネルギーや金融業界の注目度は低下しています。

 新規採用銘柄としてクラウドを活用した顧客管理用ソフトウエア事業をコアとするセールスフォース・ドットコム(CRM)、バイオテクノロジー医薬の大手であるアムジェン(AMGN)が選定されたことは、「2020年代はデジタルとバイオの時代である」ことを象徴するような出来事と言えるでしょう。

 なお、今回の「ダウ平均構成銘柄選定」の報道を受け、セールスフォース・ドットコムやアムジェンの株価は上昇しています。

<図表4>ダウ平均の新規3銘柄:相対推移(過去1年)を検証

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2019年10月初~2020年8月26日)

 図表4は、今回の新規採用銘柄(CRM、AMGN、HON)の株価とダウ平均の相対推移を検証したものです。コロナ禍のなかでCRMとAMGNのパフォーマンスがダウ平均より優勢だったことがわかります。