ダウ平均構成銘柄の「大幅な銘柄入れ替え」が発表された

 注目度が高いダウ平均(ダウ工業株30種平均)で大幅な銘柄入れ替えが発表されました。

 S&Pダウ・ジョーンズは24日、エクソン・モービル(XOM)、ファイザー(PFE)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)をダウ平均から除外し、新たにセールスフォース・ドットコム(CRM)、アムジェン(AMGN)、ハネウェル・インターナショナル(HON)を新規に組み入れると発表。新しい30銘柄で構成されるダウ平均の計算は8月31日に開始されます。

 ダウ平均は不定期に銘柄入れ替えを実施しますが、今回のように3銘柄同時の変更はめずらしい決定です。「ダウ平均の構成銘柄は米国の産業構造変化を反映するもの」とされています。

 図表3で示すとおり、セールスフォース・ドットコムとアムジェンの年初来および過去1年リターン(総収益率)は相対的に高く、ダウ平均の今後に影響を与える可能性がありそうです。

<図表3>ダウ平均の銘柄入れ替え(新規採用銘柄)

 ティッカー 銘柄名 主な事業内容 直近株価
(ドル)
年初来
総収益率(%)
過去1年
総収益率(%)
CRM セールスフォース・ドットコム 顧客管理用ソフトウエア 272.32 67.4 75.5
AMGN アムジェン 医薬・バイオテクノロジー 250.18 5.9 25.1
HON ハネウェル・インターナショナル 産業機器および制御・計測機器 165.31 -4.9 7.8
参考 米国ダウ 工業株30種平均   28,331.92 0.9 12.0
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年8月26日)

 ダウ平均は日経平均と同様に修正単純平均株価指数(株式分割などの影響は除数で修正される)です。米国上場企業のなかから産業動向を反映するように銘柄が選定されていますが、構成銘柄数は30社に限られます。

 したがって、ダウ平均の動向に影響度が高い「値がさ株」(株価水準が高い銘柄)は採用されにくいとされます。

 こうしたなか、株価上昇でダウ平均におけるウエイトが約12.5%に高まっていたアップルが「株式分割」(31日に株価を4分の1にする)を決定したタイミングを選んで銘柄入れ替えを決定したとされています。