米国高配当株5:イーストマン・ケミカル(EMN)

 特殊化学製品の世界大手企業ですが、元々は写真のコダック創業者であるジョージ・イーストマンが、写真用原材料の提供を目的としたことが事業の始まりです。時価総額約1兆円ですので、MonotaROやアイシン精機と同程度の規模です。

事業の注目ポイント

 塗料などの汎用製品から医療用チューブ、歯ブラシ、医療用マスク、航空機用潤滑油など多数の製品を手掛けている企業です。取扱製品が多岐に渡ることから、事業リスクを分散できることが強みと言えます。

株式の注目ポイント

 配当は、リーマン・ショック時にも無配にしておらず、2011年から増配中です。

業績動向

 2020年8月3日開示の2020年第2四半期決算では、売り上げは市場予想を上回りましたが、EPS(1株あたり利益)は予想に届きませんでした。

 しかし、業績は安定して推移しており、株価もコロナ禍前の水準近くまで戻しています。今後も航空機用製品などの売り上げが戻らなくても、他の製品でカバーするといった状況が続くとみられます。

注意点

 この企業はS&P500種株価指数の採用銘柄ですが、現在時価総額が380番程度となっており、このあたりの規模・業種を鑑みると、企業買収の話が出てきてもおかしくありません。業界再編の動きについては注意が必要でしょう。

株価動向、配当利回り

 この銘柄の権利落ち日は、9月14日です(配当:2.64ドル)。

 配当利回りは3.59%(2020年8月25日時点)。株価は73.46ドルで7,860円から購入できます(1USD=107円で計算)。2017年からの最高値は110.84ドル、最安値は38.39ドルです。

【要チェック】
リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。
西崎努氏の著書『老後の大切なお金の一番安全な増やし方 シニア投資』(アスコム刊)が絶賛発売中です。