米国高配当株2:HP(HPQ)

 2015年、ヒューレット・パッカードはパソコン・プリンターを取り扱うHPと、サーバーやストレージなどを事業とするヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)に分社化されました。さらにHPは、主に商業用・個人用PCと、その周辺サービスに関する事業、そして印刷事業に分かれています。時価総額は約2兆8,000億円と、富士通やオリンパスと同規模です。

事業の注目ポイント

 同社は世界のパソコン出荷台数でLenovoに続いて第2位の企業で、この2社で世界シェアの約半分を占めています。また、インクジェットプリンターにおいては圧倒的な世界シェアを誇り、長年にわたって第1位を維持しています。市場は寡占(かせん)化されており、同社のパソコン・プリンター業界での地位は当面、安泰と言っていいかもしれません。

株式の注目ポイント

 分社化前のヒューレット・パッカード時代から、リーマン・ショック時にも無配にしていません。順調な企業業績を背景に、配当は2011年から連続増配中です。

業績動向

 2020年5月27日開示の2020年第2四半期決算では、売り上げは市場予想を下回りましたが、EPS(1株あたり利益)は上回りました。決算を受けて発表翌日の株価はいったん下落しましたが、現在は既に戻しています。

 Americas(南北米大陸)とEMEA(欧州、中東、アフリカ)で、売り上げの約8割を占めており、最も売上下落率の割合が大きいアジアでの売り上げシェアが、元々少なかったことは幸いだったと言えるでしょう。

注意点

 注意点は、スマホ(スマートフォン)やタブレットのシェア拡大とともに、PCのシェアが落ちているという環境変化の点です。既に世界中の人がスマホを所有し、PCシェアの極端な低下をこれからは考えにくいですが、同じように世界のPCシェアが急拡大する状況でもないので、何らかの新しいビジネスを生み出す必要があると考えています。

株価動向、配当利回り

 この銘柄の権利落ち日は、9月8日です(配当:0.7048ドル)。

 配当利回りは3.82%(2020年8月25日時点)。株価は18.44ドルで1,973円から購入できます(1USD=107円で計算)。2017年からの最高値は26.42ドル、最安値は13.11ドルです(終値ベース)。