増やそうと思わない、減っても動じない境地にたどり着くには?

 鍵となるのは、いかに増やそうと思わない境地に行けるか、減っても動じない境地に行けるかです。

 老子の言葉に「足るを知る」というものがあります。『「もっと」「まだ足りない」と思うから、欲が出たり、不安になったりする。今ですでに十分だと思えば、心は満たされ、穏やかでいられる』という意味です。ここに答えがあります。

 資産運用において「今のままですでに十分だ」と心底から思うことです。たとえ、資産規模が少なくても「すでに十分」なのです。本当にそう思えた時に、一喜一憂は消えます。

 一喜一憂が消えれば、下がった時でも怖いという感情が出てくることなく、冷静沈着でいられるので、買うことができ、資産を増やすことができるのです。

 だからといって「そうか、今で十分だと思って、増やそうと思わなければ資産は増えるんだな。では、増やそうと思わないようにしよう!」では、資産は増えないでしょう。そうして運用を続けていった結果、おそらく「増やそうと思わなければ資産は増えると言われたので、そう思わないようにしたのに、増えないじゃないか」となると思います。

 みなさまもお気付きだと思いますが、「増やそうと思わなければ資産は増えるんだな」という言葉の中に、「増やそう」という思いが含まれているからです。

 繰り返しになりますが、心底から「今すでに十分だ」と思うことです。すでに十分なのです。そして、もし一喜一憂してしまったら、一喜一憂している自分に気づき、「また来たね。さようなら」と横に置き続けることです。

 このことを続けていけば、いつしか、一喜一憂しない心を手に入れていることでしょう。その時は、きっと資産運用の結果も付いてきていることでしょう。

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