もしかすると3,000万円以上を想定するべきかも

 この数字を自分なりに考えてみましょう。老後の年数は30年くらい見込んでおくほうがいいでしょう。75歳現役社会になっても、100歳超まで長生きする可能性があるので、少なくとも25年分は確保したいところです。

「(月5万円×30年)+(予備1,000万円)」とするなら、2,800万円です。それ以上なら自分の「老後のX000万円」を考えてみましょう。一般的には、現役時代の生活水準と、老後の生活水準にはおおむね連動する関係が見られます。

 実は公的年金水準は報酬比例の部分(厚生年金)があるため、現役時代の賃金水準が高いほど、保険料をたくさん納めているので、結果として年金水準も高くなります(ただし、保険料納付の上限があるため、年金水準にも上限が生じる)。

 それでも、生活水準もアップする傾向があるため「公的年金収入=日常生活費」の構図は変わりません。むしろ高所得者ほど公的年金収入だけで日常生活費をまかなえない恐れすらあります。

 あなたが現役時代に比較的高い所得(例えば独身なら年収800万円以上を得ている、夫婦合計所得で1,000万円を超えているとか)にある場合、「老後にX000万円」は高め設定を考えることをおすすめします。

 ただし、多くの会社員については、「退職金(企業年金)」があるので、この分は引き算できます。

「自分の老後のX000万円-退職金・企業年金額=自分で備える分」

 というわけです。会社の規模や制度設計によりますが、500万円程度から2,000万円超までさまざまです。自分の会社の制度をちょっと確認してみてください。意外な財産形成かもしれません。