国内市場で注目したい「ニューエコノミー関連株」の優勢

 一方、国内市場でも「ニューエコノミー関連株」の優勢が顕著となっています。図表4は、JANE(ジャパン・ニューエコノミー・インデックス)とTOPIX(東証株価指数)の推移を比較したものです。JANEとは「新経連株価指数(Japan New Economy Index)」の略称で、一般社団法人・新経済連盟(略称は新経連)が2019年6月20日に発表した新しい株価指数です。

 新経連は、イノベーション(創造と革新)、アントレプレナーシップ(起業家精神)、グローバリゼーション(国際的競争力の強化)の促進を目的に設立され、会員企業にIT関連企業やベンチャー企業が多いことで知られています。会員企業のうち約100社が東証、東証マザーズ、ジャスダックに上場され、JANEはこれらのうち約100銘柄で構成される浮動株調整時価総額加重平均指数となっています(1銘柄の構成比率上限は3%/起算日は2012年6月1日)。

 図表4は、2013年初を起点(100)にしたJANEとTOPIXの総収益パフォーマンスを比較したものです。TOPIXに対するJANEの相対的な優勢と復元力に注目したいと思います。

<図表4>ジャパン・ニューエコノミー・インデックス(JANE)の相対推移

*JANEとTOPIXのパフォーマンスはともに配当込み総収益指数で比較
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2013年初~2020年8月19日)

 IT(デジタル)革命やニュービジネスの成長期待がJANEの優勢を支えていると考えられます。JANEを構成する上位ウエイト銘柄としてはメルカリ、ニトリホールディングス、サイバーエージェント、富士通などがあります。こうしたJANEに連動する投資成果を目指すインデックスファンド(追加型公募投信)としては「楽天・新経連株価指数ファンド」(略称:JANEインデックス/運用:楽天投信投資顧問)があります。国内でもコロナ禍を契機にニューエコノミー化(社会・経済・産業の変革)が加速していくと考えられます。

 図表5に同ファンドの設定来パフォーマンスを示しました。一口当たりNAV(基準価額)は1万1,643円と本年2月27日の設定来で16%強上昇しています(8月19日時点)。短期的な変動を交えつつ、中長期でTOPIX(市場平均)よりも高い成長を示していくものと考えています。

<図表5>「JANEインデックス」の設定来パフォーマンス

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年2月27~8月19日)

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年8月14日:世界株高の先は?米大統領選「ハリス効果」と米中緊張が真夏の逆サプライズに?
2020年8月7日:ナスダックは年初から27%上昇!「K字型物色」とグロース株優勢は続く?