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OPECは口先介入でどこまで原油価格をつり上げられるのか!?
吉田 哲
週刊コモディティマーケット
コモディティ(商品)をお取引いただく上でのコメント・アイディアを提供するレポートです。金をはじめとした貴金属、原油をはじめとしたエネルギー関連銘柄、とうもろこし・大豆などの穀物な…

OPECは口先介入でどこまで原油価格をつり上げられるのか!?

2017/3/31
2016年はOPECの“口先介入”で上昇した年だった!?現在も“介入中!?足元の弱材料は長期的・強材料は時限的!?昨年末に作成した原油価格のシナリオを当てはめてみる。
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  • 2016年はOPECの“口先介入”で上昇した年だった!?現在も“介入中”!?
  • 足元の弱材料は長期的・強材料は時限的!?
  • 昨年末に作成した原油価格のシナリオを当てはめてみる。

昨日の原油価格の上昇要因に、クウェートの石油相が減産延長について前向きな発言をしたことが上げられる、と報じられました。

減産延長への前向きな発言は、7月以降も減産が継続され、世界の原油需給が引き締まりやすくなることに寄与する、という文脈であると思われます。

筆者が個人的に感じているのは、今月、サウジを含めクウェート以外でも減産延長への前向きな発言がなされていますが、その議論はやや早いのではないか?ということです。

3月の生産量の実績も正式に公表されておらず、かつ減産期間は残り3か月(つまり予定の半分が残っている)タイミングであれば、感覚的に、予定した6か月の減産が折り返しに差し掛かった、後半戦、どう戦おうか!?のような議論がなされ、延長するかどうかは5月25日の総会前(例えば4月後半あたりから)議論が活発化するものではないのか?と感じます。

この違和感を言い換えれば「OPECは一旦下落した原油価格を見てあせっている、そのため口先介入に出た」とすることもできるように思います。

2016年はOPECの“口先介入”で上昇した年だった!?現在も“介入中”!?

以下のグラフは、昨年1月から昨日までの原油価格の推移です。増産凍結・減産などが示唆され始めたタイミングを筆者の記憶を辿り記してみました。

図:原油価格の推移とOPECに係る出来事(単位:ドル/バレル)

出所:CMEのデータより筆者作成

2016年(特に後半)は、OPECは増産のペースを上げていましたが、年を通して原油価格は上昇する展開になりました。その原油価格の上昇の一因に“OPECの口先介入”があるのであれば、今月なされた(今後なされるであろう)減産延長についての前向きな発言もまた、原油価格を押し上げるための“口先介入”である可能性は否定できないように思います。

海外主要通信社が伝えたとおり、3月はサウジは前月比増産したとのことで、サウジ1国頼みだった減産体制は行きづまりの様相を呈し、そこから繰り出せる一手が“口先介入”、という構図であるようにも思えます。

仮にこの“口先介入”が主因となり原油価格が上昇していった場合、いったいどこまで上昇するのでしょうか。

昨年12月の“協調減産発表”というある意味強力な口先介入でも越えられなかった“55ドル近辺”がまずは壁になるように個人的に思っています。

以下は、現在筆者が考えている、弱材料と強材料です。弱材料は長期化の可能性もあるもの、強材料は時限的である傾向があるように思われます。

足元の弱材料は長期的・強材料は時限的!?

弱材料

  • OPECの足並み乱れ (サウジ1国頼み)
  • “第4極”(減産の責を負わない、かつ米国でない非OPEC)の供給圧力
  • シェールオイルの復活観測

強材料

  • OPECと非OPECの協調減産の折り返し
    2017年1月から6月まで ⇒ 減産延長協議活発化
  • ・米国の原油在庫減少傾向
    夏場のガソリン需要期を前に原油を手当て ⇒ 毎年春から夏前まで減少傾向
  • ロシア、原油生産減少傾向
    気温が緩む時期に施設の整備か ⇒ 毎年春から夏前まで減少傾向

図:米国原油在庫(戦略石油備蓄除く)(単位:億バレル)

米エネルギー省(EIA)のデータを元に筆者作成

図: ロシアの原油生産量(単位:百万バレル/日量)

米エネルギー省(EIA)のデータを元に筆者作成

また、強材料は時限的であり、夏場(減産延長の協議は7月)を過ぎれば、以下のような変化が生じると考えられます。

  • OPECは減産延長するかどうかは別として、延長を協議することはなくなるため、延長協議を材料とした口先介入はなくなる(延長した場合はサポート要因となりますが、次にも記すとおりロシアの協力が得られない可能性があり、今回の協調に比べて効果が限られるOPEC単独で減産、あるいは延長せずというシナリオはあるのだと、今のところ考えております)
  • 米国の原油在庫は季節的に増加傾向になる
  • ロシアの原油生産量は季節的に増加傾向になる

減産の行方は流動的だとしても、米国の原油在庫とロシアの原油生産量については、夏まではサポート要因だったものの、夏以降は逆に弱材料に変わる可能性があるということです。

このような状況の中、筆者が昨年末(2016年12月)に作成した、2017年の原油価格のシナリオに関する資料を参照してみました。

昨年末に作成した原油価格のシナリオを当てはめてみる。

図:2017年の原油価格推移の筆者によるシナリオ(単位:ドル/バレル)

出所:CMEのデータより筆者作成

“トランプラリー”中といわれた当時は、その有無によって原油価格の想定シナリオが変わると考えていました。それに従えば、現在一旦はラリーが区切りを見たと考えられることから、ラリー“終了後”を参照することとなります。それをチャートに重ねてみると以下のようになります。

図:筆者によるシナリオと原油価格(単位:ドル/バレル)

出所:CMEのデータより筆者作成

投機の動向もあり、他にも考慮するべき点はあると思われます。上記のシナリオはあくまで筆者個人の考えで作成したものですので、参考程度にご覧ください。

今後も原油価格の値動きに注視していきたいと思います。

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