トランプ氏の言動は全て裏目

 中国との貿易合意については、同じ22日にムニューシン米財務長官は、「我々がデカップリング(分断)する時がくるかもしれない」とFOXビジネスに対して語っています。また、「それは大統領が検討する可能性のある問題だ」とも説明しました。

 そのトランプ氏は、18日時点のツイッターで、米国が「中国との完全なデカップリング(分断)という政策オプションを維持している」と述べています。前日にUSTR(米通商代表部)のライトハイザー代表が下院歳出委員会の公聴会で、米中の完全なデカップリングは「現状において合理的な政策オプションとは思わない」と述べたことを打ち消したツイートですが、悪化している中国との関係について、これまでで最も強い言い回しとなっています。

 今後の対中通商問題について側近から両方の意見が出てきましたが、トランプ氏は両方とも否定しています。中国を揺さぶる狙いがあるのかもしれませんが、トランプ氏の頭の中に「デカップリング」の選択肢があるのは間違いなさそうです。

「デカップリング」に対して23日の東京市場では株も為替も売りで反応したため、今後もこの問題については注視しておく必要がありそうです。

 このところトランプ氏の言動は全て裏目に出ており、マーケットにとってトランプリスクはますます高まることが予想されます。