第1フェーズ:1973~1980年

NY金     : +1,169%(約12.7倍) 63.9ドル(1973年安値)→875ドル(1980年高値)
NYダウ : ▲27.7% 1,051ドル(1973年高値)→759ドル(1980年安値)

 1960年代に米国の債務が膨張し、米国が米ドルと金の交換停止。2度のオイルショックもあり、インフレが進行し、金は大きく上昇。インフレ抑制のために政策金利を引き上げていったため、景気は低迷し、株式も低迷しました。

第2フェーズ:1980~2000年

NY金     : 69.9% 875ドル(1980年高値)→263ドル(2000年安値)
NYダウ : +1,344%(約13.4倍) 759ドル(1980年安値)→1万1,722ドル(2000年高値)

 高金利政策によるインフレの沈静化に伴い、金は低迷。金利低下に伴い、景気も回復していき、2000年にはITバブルを迎えるほどに、株式は大きく上昇しました。

第3フェーズ:2000~2011年

NY金     : +531%(約6.3倍) 263ドル(2000年安値)→1,923ドル(2011年高値)
NYダウ : ▲9.1% 1万1,722ドル(2000年高値)→1万655ドル(2011年安値)

 ITバブルの崩壊→住宅バブル(サブプライムローンの膨張)→住宅バブルの崩壊(リーマンショック)と景気は大きくぶれ、株式市場は上下を繰り返しましたが、結局、横ばい。中国などの新興国の台頭から資源価格が上昇、リーマンショック後の大規模金融緩和もあり、金は大きく上昇しました。

第4フェーズ:2011~2020年

NY金     : ▲23.1% 1,923ドル(2011年高値)→1,477ドル(2020年安値)
NYダウ : +177%(約2.7倍) 1万655ドル(2011年安値)→2万9,551ドル(2020年高値)

 FRB(米連邦準備制度理事会)がFF金利(フェデラル・ファンド金利)を年0~0.25%にした状態を維持し、景気も回復から拡大へ。その後、利上げをするも、2019年には予防的利下げを行い、株式はさらに上昇。インフレにもデフレにもならず、金価格は低迷した期間となりました。

第5フェーズ:2020年~

NY金     : ? 1,477ドル(2020年安値)→?
NYダウ : ? 2万9,551ドル(2020年高値)→?

 金は金利が付かない一方で、株式は配当があり、企業業績の拡大に伴って値上がりも期待できます。このため、ざっくりとした捉え方ですが、株式のほうが魅力的な時には株式にお金が流れ、株式に魅力がないと金にお金が行くという関係が、長期的な逆相関を作っているように見えます。