今週の見通し
6月10日(水)のパウエル議長の発言は、2021年まで、コロナ禍が続く可能性があることを示唆し、個人も、企業も、国家も関係なく、落胆・失望を抱かされ、幅広い銘柄が下落する要因になりました。
しかし、その1週間後の6月17日(水)、パウエル議長は、今度は市場に期待を抱かせる発言をして、幅広い銘柄の上昇要因を作りました。先々週から先週にかけて、市場は、要人の発言に振り回されるように、下がったり、上がったりしたわけです。
要人の発言は、さまざまな市場の変動要因になり得ますが、主に、市場が材料視するのは、発言の中にある、“分かりやすい、将来へのメッセージ”です。過去の振り返りや詳細な数字ではありません。
6月17日(水)のパウエル議長の発言は、「財政支援策を性急に終了することは、懸念を引き起こす」「中小企業への支援を続けることを検討すべき」「今後の景気回復のために、今、支援が必要」などでした。
このような“分かりやすい、将来へのメッセージ”が、景気を良くする期待を膨らませ、幅広い銘柄が上昇したと考えられます。
一方、このような要人の“分かりやすい、将来へのメッセージ”は、何か具体的に大きなことが現実のものになったのではなく、そうなりそう、そうなるとよい、などの期待を強めるに留まる傾向があります。要人の発言と同時に、期待(思惑の正の側面)ではなく、実態も、確認する必要があります。
今週は、6月23日(火)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国の6月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)、25日(木)、米国の1-3月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)、5月耐久財受注(前月比)、などの発表があります。
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