メガ銀行の株価バリュエーションは金融危機の時よりも低い

 驚くことに、三菱UFJのPBRは0.37倍の低さにあります。解散価値と言われるPBR1倍を大きく割り込んでいます。これは、日本が金融危機にあった1998~2002年の大手銀行株よりも低い評価です。当時と比べて財務内容が格段に改善し、保有する有価証券ポートフォリオに2020年3月末時点で2兆8,886億円もの含み益があるにもかかわらず、PBRでここまで低く評価されるのは解せません。

 一番注目したいのは、予想配当利回りです。6月10日時点で、5.3%です。同社は、前期(2020年3月期)まで積極的に増配を続けてきましたが、今期(2021年3月期)は、前期の配当水準を維持する予定です。1株当たり配当金は、2017年3月期18円→18年3月期19円→19年3月期22円→20年3月期25円と増やしてきましたが、21年3月期は25円に据え置く方針です。コロナ危機が収まれば、将来、さらに増配していくと期待できます。私は、高配当利回り株として、長期投資していく価値が高いと判断しています。