自己責任という暗示
――失敗も経験していますよね。自己責任だから自分を怒るしかない?
失敗したときに心がけていることは、潔く「己の負けを認める」ことです。僕も含めて、人は自分のミスを認めることができない生き物だとつくづく思います。上がると思って買った株が下がった。それは勝負としては負けということなのに、それを認めないから塩漬けになってしまう。いち早く負けを認めて、僕は今回、間違えたんだと認めて出直した方が100%いい。
――天野さんは「己の負けを認める」ことを実践しているんですね。
……していない(笑)。この矛盾はなんなんだ(笑)。それでも経験を積んだから負けを認められるようになったし、目先の値動きに一喜一憂することはなくなりました。
――投資は自己責任とはいえ、誰かの意見を参考にして投資をすることはないのですか?
人に聞いて上手くいくときもあるし、逆に悪くなることもある。すると悪くなったときの印象の方が強くなるんですよ。だから自分で考えて自分で判断した方がいい。
――自分で判断することは、難しくはないですか?
人の意見を頼りにしたくなる気持ちは分かるけれど、「投資は自己責任」ということを自覚することが本当に大切だと考えています。余裕資金の範囲でやるべきで。そうでなくても、投資資金は増やしてしまうものですよ。なんでしょう。人間の性ですかね(笑)。
ただし、普段からうまい話はないことだけは心得ておかないと。いまだに「投資資金は確実に増えます。しかも元本保証です」という詐欺事件もありますからね。
――天野さんは投資を周りの人にすすめていますか?
「これをやりなさい」と具体的に勧めることはありません。自己責任を理解していない相手だと、損をきっかけに長年の友情だって壊れるからね。投資について聞かれることはありますよ。仮想通貨が世の中で話題になったときは、ある後輩の芸人に「天野さん、コインビットって知っていますか?」と聞かれたことがあります。もうコインビットといっている時点で危ないでしょ(笑)。こいつは何も知らないで手を出していると思った。
仮想通貨に関しては評価が分かれると思います。仮想通貨でもうけた「億り人(資産1億円超えを達成した投資家)」のニュースを見ていたら、若い女性がシャンパンを飲みながら、「朝起きたらぐんぐん上がっていました。やらない人は馬鹿ですよ」なんて話していました。僕は危ないと思ったけれど、逆にやりたいと思う人もいるでしょうね。
どちらの判断が正しいのかは、その時点では分かりません。もしかしたら僕が乗り遅れるのかもしれないけれど、もうけるチャンスを逃すというのも自己責任だからね。
――天野さんは資産10億円といううわさですよね。
そんなにありません!相方のウドちゃんが流したんじゃないかな(笑)。それを目標にがんばろうと思います。
読者へのメッセージ
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