買えなくてもいいと思うくらいの気持ちで「買い指値」を入れる

──下落局面で買うほうが有利なのはなぜですか。上昇局面で買っても、さらに上昇すれば利益を取れるように思うのですが…。

 それを理解してもらうには、いつも僕がどのように売買しているかを説明するのが早いかもしれません。

──では、朝9時にパソコンの前に座るところから、順を追ってお話しいただけますか。

 僕はノートパソコン1台とモニター1台の2台で売買しています。パソコンは注文を出したりする他、買った銘柄などの板(※)を表示していて、モニターには常時190銘柄くらいの価格と指数チャートを出しています。

 で、まずはモニターに表示した190銘柄の中のどれで勝負するか検討します。ただし、前日アタリをつけていた銘柄がある場合など、いきなりその銘柄で勝負することもあります。

※板…取引参加者の売買注文をまとめた表のこと。この板情報を参考にして売買する。

──デイトレーダーというとたくさんのモニターを見ながら売買しているイメージがありますが、Rょーへーさんは2台なんですね。

 もっとあってもいいかもしれませんが、僕は2台で十分だと思います。ただ、モニターは、小さいとたくさんの銘柄を同時に表示できないので、大きめのものをオススメします。

──モニターに表示した190銘柄の中から、どうやってその日の勝負銘柄を決めるのですか。

 下落局面にある銘柄を探し、それらの中でどれが大きく戻りそうかなどを考えます。

 ツールは楽天証券のマーケットスピードを使っていて、上昇銘柄が崩れたところを狙う場合は、特に375分平均を表す75本移動平均線のオレンジ色の表示を気にするようにしています。

──狙いが定まったらすぐに注文するのですか。

 いえ、逆張りの場合すぐに買うことはほとんどなく、通常は買い指値を入れます。

 例えば1,390円、1,380円、1,370円と下がっている銘柄があるとします。さきほど話したように、何分後か何十分後に上昇する可能性があります。

 では、いつ買うのがトクかというと、当然、安くなってから買ったほうがトクです。もっといえば、下がり切って上昇に転じる瞬間、つまり底値に到達したとき買うのが理想です。

 そこで、どの程度まで下がるかを予測し、その値になったら買ってくださいと証券会社に注文を出しておくんです。

 ただ順張りをする場合は、買いと思ったら即買うことを徹底しています。

──なるほど、予約を入れるわけですね。
 でも、買い指値を入れた金額まで下がらないこともありますよね。1,350円になったら買ってくださいと指示しておいたのに1,360円まできたら上昇してしまうとか。そうすると買えなくなってしまうのではないですか。

 それはそれでいいんです。なぜなら、対象銘柄は3,000種類以上あるわけで、1つの銘柄に固執する必要はないからです。もっと安く買える、もっとうまみのある銘柄を探せばいいだけのことなんです。

──複数の銘柄に買い指値を入れるのでしょうか。

 はい、普段はそうしています。日によって違いますが、1度に10銘柄くらい買い指値を入れることもあります。