『デイトレで勝てない人のためのブログ』を運営、YouTubeチャンネル『デイトレ塾』でも情報発信を行うデイトレーダー・Rょーへーさんのインタビュー中編をお届けします。
前編では、デイトレードを始めて1年で全財産550万円の大半を失うも、そこから不死鳥のごとく復活し、勝てるデイトレーダーへと変身を遂げた経緯を伺いました。今回は、Rょーへーさんが得意とする「逆張りデイトレード」の詳細を伺いました。
下落局面で買い、小刻みな上げ下げを利用して利益を取る
──ここからは「逆張りデイトレード術」についてお聞きします。株を買うタイミングには上昇局面で買う「順張り」と、下落局面で買う「逆張り」がありますが、この2つだと逆張りのほうが勝ちやすいのでしょうか。
それは一概には言えません。投資家によって順張りが得意な人もいますし、逆張りが得意な人もいます。それに、中長期投資なのか、短期投資なのか、デイトレードなのか、などによっても違ってきます。
いずれにしても投資に「正解」はないと思っています。
──確かにそうですね。Rょーへーさんにとっては、逆張りのほうが勝ちやすいのですか。
僕も逆張りしかしないかというと、そうではなく、状況などによっては順張りもします。
でも、どちらが勝ちやすいか、負けにくいかといったら逆張りだと思っています。もちろん、デイトレードに限ってですが。
──デイトレードはその日のうちに売買を完結させます。つまり、買ってから、遅くとも数時間以内には売るわけです。
となると、下落中の株を買うのはリスクが高いのではないでしょうか? その日のうちに上がればいいですが、下がり続けて1日が終わってしまうこともありそうです。
1日の株価の動きを示す株式チャートを見ると、市場が開いてから閉まるまで上がりっぱなし、下がりっぱなしということはあまりないんです。
例えば始値が1,100円で、終値が1,000円だとします。その場合も、ずっと下降曲線を描くわけではなく、小刻みに上げ下げを繰り返します。上がったり下がったりしながら、最終的に1,000円になるんです。
つまり、今は下落していても、3分後か、30分後かはわかりませんが、下落した反動で上がることが多いんです。
──1日のうちに何度も発生する「小刻みな上げ下げ」を利用して利益を取るということですね。
はい。それにいつも「小刻み」というわけではなく、ある瞬間、ドンと上がることもあります。そういうチャンスをうまくつかめば大きな利益を得られます。
買えなくてもいいと思うくらいの気持ちで「買い指値」を入れる
──下落局面で買うほうが有利なのはなぜですか。上昇局面で買っても、さらに上昇すれば利益を取れるように思うのですが…。
それを理解してもらうには、いつも僕がどのように売買しているかを説明するのが早いかもしれません。
──では、朝9時にパソコンの前に座るところから、順を追ってお話しいただけますか。
僕はノートパソコン1台とモニター1台の2台で売買しています。パソコンは注文を出したりする他、買った銘柄などの板(※)を表示していて、モニターには常時190銘柄くらいの価格と指数チャートを出しています。
で、まずはモニターに表示した190銘柄の中のどれで勝負するか検討します。ただし、前日アタリをつけていた銘柄がある場合など、いきなりその銘柄で勝負することもあります。
※板…取引参加者の売買注文をまとめた表のこと。この板情報を参考にして売買する。
──デイトレーダーというとたくさんのモニターを見ながら売買しているイメージがありますが、Rょーへーさんは2台なんですね。
もっとあってもいいかもしれませんが、僕は2台で十分だと思います。ただ、モニターは、小さいとたくさんの銘柄を同時に表示できないので、大きめのものをオススメします。
──モニターに表示した190銘柄の中から、どうやってその日の勝負銘柄を決めるのですか。
下落局面にある銘柄を探し、それらの中でどれが大きく戻りそうかなどを考えます。
ツールは楽天証券のマーケットスピードを使っていて、上昇銘柄が崩れたところを狙う場合は、特に375分平均を表す75本移動平均線のオレンジ色の表示を気にするようにしています。
──狙いが定まったらすぐに注文するのですか。
いえ、逆張りの場合すぐに買うことはほとんどなく、通常は買い指値を入れます。
例えば1,390円、1,380円、1,370円と下がっている銘柄があるとします。さきほど話したように、何分後か何十分後に上昇する可能性があります。
では、いつ買うのがトクかというと、当然、安くなってから買ったほうがトクです。もっといえば、下がり切って上昇に転じる瞬間、つまり底値に到達したとき買うのが理想です。
そこで、どの程度まで下がるかを予測し、その値になったら買ってくださいと証券会社に注文を出しておくんです。
ただ順張りをする場合は、買いと思ったら即買うことを徹底しています。
──なるほど、予約を入れるわけですね。
でも、買い指値を入れた金額まで下がらないこともありますよね。1,350円になったら買ってくださいと指示しておいたのに1,360円まできたら上昇してしまうとか。そうすると買えなくなってしまうのではないですか。
それはそれでいいんです。なぜなら、対象銘柄は3,000種類以上あるわけで、1つの銘柄に固執する必要はないからです。もっと安く買える、もっとうまみのある銘柄を探せばいいだけのことなんです。
──複数の銘柄に買い指値を入れるのでしょうか。
はい、普段はそうしています。日によって違いますが、1度に10銘柄くらい買い指値を入れることもあります。
あまり高望みせず、早めに利確することも大事
──10銘柄に買い指値を入れると、どれくらい買えるものなのですか。
それはどのあたりに指値を入れるかによって変わります。
例えば、今の値段より少し安いくらいのところに指値を入れれば、いくらでも買えます。でも、そうするともっと下がる可能性が高いので、その後上がっても、買った価格に戻らないことがあります。
一方で「さすがにここまでは下がらないだろう」と思えるくらいのところに指値を入れると、当然買えるチャンスは少なくなりますが、買えた場合には、安く買っているだけに勝てる確率が高くなります。
──下落局面にある銘柄に絞り、買えなくてもいいくらいの気持ちで、かなり思い切ったところに買い指値を入れる…これに徹すれば、高い確率で勝てるということでしょうか。
もちろん、空振りは多いです。10銘柄買い指値を入れても1つか2つしか買えないかもしれません。でも、勝率はかなり高くなります。
──なるほど。
ただ、もう1つ重要なことがあります。どのタイミングで売るかです。
かなり安いところで買えれば、少なくとも一時的には含み益になる可能性が高いですが、そのとき「もうちょっと上がるまで待とう」などと欲を出すと、そこから一気に下落したりします。
ですから、この方法を取るときは、あまり高望みせず、早めに売って利確(利益確定)することも大事です。
──Rょーへーさんが推奨する「逆張りデイトレード」のよさがわかってきました。順張りだとこうはいかないですか。
逆張りの場合、最初は含み損になる可能性が高いですが、順張りは上がっている途中で買うので、含み益になる可能性が高いです。買った瞬間がたまたま天井だった場合は、いきなり含み損を抱えますが、それ以外の場合はとりあえず含み益になります。
ただし、買った瞬間が天井でなくても、数秒後、数分後に天井となり、そこから真っ逆さまに下落していくというパターンが少なくないんです。
──上がっているときに買うと、そうなるのですね。
その場合、大事なのは早めに損切りすることです。下落してすぐ売れば損失を最小限に抑えることができます。
ところが、これが簡単ではありません。僕が1年目にさんざんやらかしたように、少し様子を見ていればまた上がるだろうと思い込んでしまうんです。買ったときは上がっていたのだから、当然また上がると思ってしまうんですね。
──確かに粘りたくなってしまいます。
もちろん、再び上昇することもあります。でも、下がり続けることもある。そうなると、粘れば粘るほど損失が大きくなってしまいます。
──逆張りだと、買った瞬間が天井ということはないし、すぐに上昇に転じそのまま一気に天井ということも少ない。そういう意味でも、逆張りのほうがリスクを抑えた売買ができるということでしょうか。
はい。
──リスクを抑えてコツコツ利益を出す、逆張りデイトレードの魅力がわかりました。後編ではズバリ、実際にどれくらい稼げるものなのかをお伺いします。
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