1年間で550万円の貯金が底をついた
──Rょーへーさんが得意とする「逆張りデイトレード術」については追って詳しくお伺いします。まず、投資を始めた経緯をお聞かせいただけますか。
僕より早く投資を始めていた弟に誘われたのがキッカケです。
当時、僕はパチンコやスロットで生計を立てていたのですが、いつまでも稼ぎ続けられるとは限りません。それで、550万円ほど貯金があったので、それを元手にデイトレードを始めました。
2006年のことですから、14年ほど前になります。
──始めるにあたり、勉強されたのですか。
弟もデイトレードを行っていたので、具体的にどうやるのか教えてもらいましたが、本を読んだりはしなかったですね。
──不安はなかったのですか。
僕から見ても弟はけっこう優秀なんですよ。身内を持ち上げるのは気が引けますが(笑)。そんな彼でも勝ったり負けたりしてましたから、そううまくはいかないだろうなと思っていました。
ただ、僕はパチンコやスロットではかなり勝っていたんですね。自分なりにいろいろ研究して勝率を高めてきました。だから、勝つための思考法みたいなものはそれなりに身についている、それを生かせばそこそこやれるんじゃないかという思いはありました。
もっとも、その思いはすぐに打ち砕かれるのですが。
──パチンコやスロットのようにはいかなかった、ということでしょうか。
最初の取引は大成功だったんです。買ってすぐ値が上がり、たった1分で2万円利益を出しました。
ところが、そこからパタッと勝てなくなりました。証券口座のお金がなくなってきては入金、減っては入金と繰り返し、気付けば貯金もなくなっていき、1年後にはほぼ全額失いました。
──そのときの敗因は何だと思いますか。
100万円、200万円と負けると、後に引けなくなるわけです。何とかして取り戻したいという思いにとらわれます。
そうすると、ちょっとした勝ちでは満足できなくなり、大きく勝とうとします。結果、それが裏目に出て、さらにマイナスを背負い込んでしまう…。こういうパターンが多かったですね。
──初心者が陥りがちなパターンでしょうか?
そうですね。今、売ればプラスなのに「もう少し粘ればもっと上がる」と考えて持ち続けた結果、大幅に下落し、やむにやまれず損切りするとか。
あと、あまりに下がって売るに売れなくなり、ナンピン(※)を繰り返す。それでも下がり続けるので、どうしようもなくなって、翌日に持ち越し、さらに損失を大きくする……みたいなパターンもよくありました。
※ナンピン…保有銘柄の株価が下がったとき、買い増しして買い値を下げること
──なるほど。
途中からは数日持ち越すことが普通になっていて、もはやデイトレードではなくスイングトレードばかりになっていました。