自分を信じて、奇跡の復活を遂げた

──でも、そこから復活を遂げました。

 初心に返るというか、もう一度、デイトレードに戻ろうと考えたんです。自分にはスイングトレードは向いていない、1日で売買を完結させる手法に徹しようと。

 といっても、すでに資金はつきかけていましたから、あと何度か挑戦し、それでダメだったら、投資で生計を立てるのはきっぱり諦めて、就職しようと思っていました。

──その切り替えによって結果的にうまくいった、ということでしょうか。

 はい、それで持ち直し、生き長らえることができたんです。

──最初はデイトレードで勝てず、スイングトレードに移行していったということでしたが、デイトレードに戻って勝てたのはなぜですか。

 1年間なぜ負け続けたのかじっくり考えてみたら、思い当たることがいろいろあったんです。そこで、少しやり方を変えました。

──例えばどんなことですか。

 まず自分が買いだと思ったらすぐに買う、売りだと思ったらすぐに売るということを徹底しました。

──基本に立ち返った、というところでしょうか。

 デイトレードの経験がある人ならわかると思うのですが、これが案外、簡単ではないんです。例えば、朝から下がり続けていた銘柄が上昇の気配を見せたとします。それで買おうと思っても、その瞬間にはなかなか決断できないものなんです。

 なぜなら、その段階では上がるという確信が持てないからです。だから、もうちょっと様子を見て、本当に上がったら買おうと考えるわけです。

──なるほど。

 でも、その一瞬の迷いが命取りになるケースが多いんです。様子を見ているうちにどんどん上がっていき、買いのタイミングを逸してしまったり、あるいは買ったときにはもう下落局面に入っていたり。

──安全策を取ったことが裏目に出てしまう…。

 はい、僕自身、何度もそういうミスをしでかしました。だから、自分が買いだと思ったら迷わず買おうと心に決めたんです。

──でもやはり、その判断が間違っていることもありますよね。

 もちろんです。でも、僕は結果はともかく、1年間全力でデイトレードに取り組んできました。だから、ある程度はどういう動きをするのかわかってきたし、少しは先を読めるようにもなった。

 だから、余計なことを考えず自分の思う通りにやってみよう、自分を信じてみようと思ったんです。崖っぷちに立たされたからこそ、そういう心境になれたのかもしれません。

──他に変えたことはありますか。

 大勝ちを狙うのをやめました。

 さっき話したように、欲を出して勝ち損なったことが数え切れないくらいありました。だから、いっぺんに550万円取り戻そうとするのでなく、少しずつ、コツコツ取り返していこうと考えたんです。

──Rょーへーさんは今、毎日数万円の利益を目標にしていますよね。そのスタイルはその頃、始まったのですね。

 そうです。

──では、次回はRょーへーさん流の「逆張りデイトレード術」についてお伺いします。