本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは108.19

下値メドは107.05

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

経済再開、
欧州がウサギなら英国はカメ

 ポンドはアンダーパフォーム。新型コロナウイルスに対する英政府の対応の慎重さに加え、年末のノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)のリスクが高まっていることが理由です。

 今週のポンドは「リスクオンのドル売り」でドルに対して反発する場面もありましたが、ユーロに対しては、1ユーロ=0.8998ポンドまで売られて(ポンド安/ユーロ高)、ほぼ2カ月ぶりの安値をつけています。一方ユーロは、ドイツとフランスが共同提案した大型のEU(欧州連合)復興基金がマーケットに高く評価されて、1ユーロ=1.10ドル台まで上昇しました。それだけにポンドの見劣りが目立ちました。

 英国とEUのFTA(自由貿易協定)交渉は、現在のところ全く進展はみられません。このままでは、英国がEUと貿易協定がないまま離脱する、ノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)に直面することになります。ブレグジットの移行期間の延長期限は7月1日。延長をしなければ英国は今年12月に離脱ということになるため、ポンドの先安観が強まっています。

 また英国は、新型コロナ後の経済再開について他国に後れをとっています。これは英国の景気回復がかなり遅くなることを示しています。さらに経済再開が先延ばしになるほど、休職期間中の給与保証が政府にとって重い負担となります。英国政府はコロナ休業の労働者に賃金の8割を支給していますが、政府の負担は3カ月ごとに200億ポンド(約2兆6,000億円)という莫大な金額にのぼっています。

 もちろん経済再開を焦って新型コロナの第2波に襲われてしまっては元も子もありません。英政府の慎重な判断が結局は正解だったということになるかもしれませんが、短期的には、ポンド売り材料となっています。

 無事に経済を再開しても、ブレグジット交渉が控えているわけで、ポンドには明るい材料がありません。英国の中央銀行であるBOE(イングランド銀行)のベイリー総裁は、マイナス金利の検討を始めたと述べています。金利面でも、ポンドは不利だといえます。

ポンド/円の最新位置情報については「今日の注目通貨」をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

21日のドル/円のNY市場終値は107.60円

 20日の終値に比べ0.05円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の格言:

明日に延ばしてもいいのは、やり残して死んでもかまわないことだけ - パブロ・ピカソ​

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    ブラジルで1日あたりの新規感染者が1万9,981人と過去最高を記録
    トランプ米大統領、ブラジルへの渡航禁止を検討
    NY市の新型コロナ死者推計値、公式統計より5,000人多い可能性  NY市の保健当局

航空業界:
    ソーシャルディスタンスを守ると、航空会社のカウンターの列は1キロ以上に

ドル:
    NYの大統領予備選、予定通り実施へ
    パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長「(資産)下落の勢いとスピードは前例がない」
    FOMC議事録「軌道に乗るまで現在の目標レートを維持」

円:
    東京五輪、21年開催が無理なら中止 バッハ会長が言及

ユーロ:
    排ガス規制でハイブリッド車販売を2021年までに7倍に引き上げる必要
    欧州、米国に比べて経済力が大きく見劣り

トルコリラ:
    トルコ中央銀行、政策金利を8.25%に引き下げ 予想通り

南アランド: 
    南ア準備銀行、政策金利を3.75%に引き下げ 予想通り

その他:
    フィル・コリンズの「ジェネシス」が活動再開 13年ぶり
    トランプ大統領、多数の新型コロナ感染者数は「名誉の印」

主要指標終値

出所:楽天証券が作成