ショック相場でいつ取引すべきか?

 次は「いつ取引をするか?」です。今のところ、順調に株価を戻してきましたが、再び調整する可能性も否定できません。いったん利益を確定すべきか、それともさらなる株価回復を待つべきかという視点です。

 そこで、過去の〇〇ショック時の様子を見ていきます。下の図3は「チャイナ・ショック」時の日経平均の週足チャートです。

(図3)「チャイナ・ショック」時の日経平均チャート(週足)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 いわゆるチャイナ・ショックは2015年の8月に訪れました。日経平均は同年10月頭にいったん底打ちしてから12月まで下げ幅の8割近く戻したものの、その後は翌2016年2月にかけて最初の急落以上の下落局面を迎えています。結局、チャイナ・ショック前の株価水準に戻った2017年10月まで、約2年2カ月を要しています。

 続いて、「リーマン・ショック」時についても見ていきます。

(図4)「リーマン・ショック」時の日経平均チャート(週足)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経平均はすでに下落基調となっていましたが、リーマン・ショック自体は2008年9月半ばに訪れています。その後は同年10月末にいったん下げ止まったものの、翌2009年3月に「ダブルボトム」を形成し、以降は9,000~1万1,000円台のレンジ相場が長期にわたって続きました。こちらもショック前の株価水準に戻した2013年3月まで約4年半も掛かっています。

 過去のショック時から言えることは、(1)「株価はある程度まで戻すが、何度か調整局面を迎えている」、(2)「ショック前の株価水準まで戻すのに長い年月が掛かっている」、(3)「途中で一定期間のトレンドをいくつか形成している」の3点です。

 株価が元の株価水準以上になるまで株式を気長に持ち続けるのもひとつの手ではありますが、折角なので(3)のトレンドを捉えてタイミング良く売買できれば、それだけ収益機会も増えることになります。

 例えば、チャイナ・ショック時の場合、日足チャートの5日と25日移動平均線のクロスというシンプルなサインに従って売買するだけでも、利益を狙えたことが分かります(図5)。

(図5)「チャイナ・ショック」時の日経平均チャート(日足)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 つまり、〇〇ショックというレアな状況であるか否かにかかわらず、普段から「何を取引するのか?(売買対象の選択)」と、「いつ取引するのか?(取引のタイミング)」の視点を持っておく必要があります。

 一般的に、前者を得意とするのが「ファンダメンタルズ分析」、後者を得意とするのが「テクニカル分析」ですが、次回(6月4日公開予定)以降は、これらについてもっと掘り下げて考えてみたいと思います。