先行き不透明感が漂う相場環境で、自分が「思っていた」よりも保有する投資信託(ファンド)の基準価額が下がってしまったと感じている人は、少なくないでしょう。これは実のところ、自身のリスク許容度と、保有するファンドの値下がりにミスマッチが生じている状態に他なりません。自身のリスク許容度の高さと低さは、自分が「思っていた」、または、なんとなくイメージしていた価格変動の幅が広いか、狭いかということ。だから、今「こんなはずじゃなかったのに」と思った人は、これを機会に自身の「このくらい値下がりしても保有しつづけられる」というリスク許容度を、具体的に点検してみてください。

 とはいうものの相場の下落局面などで、保有する全ファンドが含み損を抱えているような状態は心もとないと考えている人に、ひとつアドバイスがあります。

 それは、インデックスファンドよりも運用の自由度が高いアクティブファンドを選択肢に入れることです。

 アクティブファンドの中には、大きなリターン(利益)を取りにいくよりも、むしろ、市場平均(インデックス指標)と比べて、スクを低く抑えることに重きを置いた商品も存在します。その代表格が、リスクコントロール機能の付いたバランスファンドです(「アクティブファンドの本質は「自由度の高さ」にあり」でも解説していますので、チェックしてみてください)。

「バランスファンド」と聞くと、「8資産均等」のタイプをイメージされる人が多いかもしれません。「私の保有している『8資産均等』のバランスファンド、分散投資しているはずなのに基準価額が随分下がってしまったのだけど…」と思った人、あるいは、「たくさんの資産を組み入れている『8資産均等』ならリスクを抑えられるはず」と思った人は、このまま読み進めてください。

 リスクコントロール機能の付いたバランスファンドの詳細を早く知りたいという人は、次の段落を飛ばして、「長期分散投資成功のカギは機動的な資産配分の変更」を読んでください。それでは、詳しく見ていきましょう。