経済はV字回復?U字回復?L字推移?

 さて、5月に入って欧米の一部で経済活動が再開されます。経済の再活動によって、経済は年後半に回復するとの期待が高まっていますが、V字回復は果たして起こるのでしょうか。ムニューシン米財務長官も、米失業率はさらに悪化するかもしれないが、今年後半には回復するだろうとの見方を示しています。しかし、新型コロナウイルス第2波感染拡大を警戒しながらの経済再開は、期待以上でない可能性があります。現実を直視せざるを得ない状況になれば、V字回復期待は後退し、U字回復になるかもしれません。あるいはU字回復よりもL字で推移し、元の水準に戻るには数年かかるかもしれないとの見方が出てくるかもしれません。

 そうして今週は、日本の決算や米国の四半期決算が発表されます。

 12日、トヨタは今期80%減益予想を発表しました。このように現実を直視させられる内容が次々と発表されてくれば、マーケットから楽観論が後退し、下値を警戒する必要があるかもしれません。

米中対立激化の先にあること

 5月に入って、トランプ米大統領の中国への口先攻撃は強くなってきています。

 米大統領選挙を控え、新型コロナウイルスに対する中国の対応が悪かったため、米国の感染者が増えたと責任転嫁する動きが強まっています。4月30日には、トランプ氏はその報復として中国に関税を課す可能性を示唆したため、貿易摩擦再燃不安が高まってきています。

 しかし、米中ともこのような状況の中で両国が自滅するような一線は越えないと思われますが、米国の感染者はまだ増え続けており、失業者が溢れていることから、トランプ氏の中国攻撃はますますエスカレートすることが予想され、警戒する必要があります。マーケットの不安材料としては続きそうです。