日本の「ニュー・エコノミー・インデックス」に投資する方法
国内株式が下落する場面で注目したい株価指数として「新経連株価指数(Japan New Economy Index)」を記します。一般社団法人・新経済連盟(略称は新経連:JANE)が2019年6月20日に発表した新しい株価指数で「新経連指数」と呼ばれています。
新経連は、イノベーション(創造と革新)、アントレプレナーシップ(起業家精神)、グローバリゼーション(国際的競争力の強化)の促進を目的に、政策提言や情報提供等に取り組んでいることで知られています。
会員企業にはIT関連企業やベンチャー企業が多く、そのうち約100社が東証、東証マザーズ、ジャスダックに上場されています。新経連指数は、これらのうち98銘柄で構成されている浮動株調整時価総額加重平均指数となっています(1銘柄の構成比率上限は3%/起算日は2012年6月1日)。
図表3は、2013年初を100とし、新経連指数とTOPIX(東証株価指数)の総収益の推移を比較したものです。IT(デジタル)革命やニュービジネスの成長期待を反映し、新経連指数は傾向としてTOPIXよりも優勢に推移してきました。
<図表3>「新経連株価指数」は中長期でTOPIXより優勢に推移してきた
新経連は、成長企業が多く加盟する経済団体であることをアピールしてきましたが、「新経連指数はそうした連盟の特徴を可視化したもの」と説明しています。
もちろん、相場全体が急落した場面では、新経連指数も急落を余儀なくされました。ただ、TOPIXと比較した場合の復元力にも注目したいと思います。株式相場の底入れが鮮明となれば、新経連指数が中長期の視野で市場平均に対する優勢を拡大していく余地は高いと考えています。
図表4は、新経連指数を構成する98銘柄のなかから、時価総額の降順(大きい順)に上位15銘柄のみを参考情報として一覧したものです。上位銘柄としては、富士通(6702)、ニトリホールディング(9843)、日本オラクル(4716)、楽天(4755)、LINE(3938)などが挙げられます。
業種は、IT関連サービス業に限らず電気機器、小売業、情報・通信、陸運業など幅広い分野で構成されています。TOPIXや日経平均と異なる特徴としては、新しい産業や企業に投資することの重要性が注目されており、構成銘柄のベンチャー企業が企業価値や時価総額を増やしていくことも期待されています。
<図表4>新経連株価指数の主な構成銘柄(参考情報)
こうした「新経連株価指数(Japan New Economy Index)」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドとして、「楽天・新経連株価指数ファンド」(略称:JANEインデックス/運用:楽天投信投資顧問)があります。
「コロナ危機」を契機に、国内でもITサービス業界をコアとするイノベーション(創造と革新)が促進される時代が早まると想定されます。同インデックスファンドの長期的な成長期待と分散投資効果に注目したいと思います。
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