米議会予算局のGDP予測
今週の経済指標では、29日の米国1-3月期GDP速報値、30日のユーロ圏1-3月期GDP速報値に注目です。欧米とも非常事態宣言が発せられた3月が含まれているため、どの程度経済が悪化しているのか注目されます。
米国のGDPについては、4月24日、CBO(米議会予算局)が4-6月期GDP前期比▲39.6%の予測を発表しました。リーマン・ショック直後の2008年10-12月期(同▲8.4%)を大きく下回り、比較可能な1947年以降で最悪の水準になっています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅な落ち込みとなっていますが、政府が予測した指標であり、一つの基準となるため、今後の実績とのかい離に注目したいと思います。
CBOによると、1-3月期GDPは前期比▲3.5%の予測となっていますが、果たして、29日発表のGDP速報値とのかい離はどの程度になるか注目です。マイナス方向に大きくかい離すれば、政府は新たな政策を取ってくる可能性が高まってきます。マイナスが縮む方向であれば、株高、ドル高に反応しそうです。
CBOは感染拡大の悪影響は4-6月期に集中し、年後半には回復するというシナリオを立てています。7-9月期GDPは回復に転じ前期比+23.5%、10-12月期は同+10.5%と予測しています。
しかし、ロックダウンの一部解除だけでは経済活動の本格的回復が進まず、あるいは感染が再び拡大し第2波に見舞われるような状況になれば、回復時期は後ろ倒しのシナリオになります。いずれにしろ、今後の経済活動の判断基準として、米国政府として発表したCBOのGDP予測は参考になるため、留意する必要があります。