日経平均は反落。原油価格の影響を受けるも持ち直し
先週末4月24日(金)の日経平均株価終値は1万9,262円でした。前週末終値(1万9,897円)からは635円安、週足ベースでも反落に転じました。前週末の段階では、「近いうちに2万円台も」との見方が優勢だったことを考えると、反対の展開になってしまいました。
その理由のひとつに挙げられているのが原油価格です。20日(月)のNY原油先物取引の価格が一時的に史上初のマイナスに沈んだことが市場にインパクトを与えたわけですが、清算日が迫っていた5月ものの価格だったことを考慮する必要があります。原油の受け渡しを行う貯蔵施設の容量がひっ迫していることが判明し、「現物を受け渡されても貯蔵先の確保が難しいのでは?」という思惑が働き、多くの投資家から売りが出たとされています。
日経平均は1万9,000円を下回る場面もありましたが、結果的に持ち直して週の取引を終えており、「もっと下落してもおかしくないような材料が出た割に、あまり崩れなかった」と見ることもできます。
ちまたでは今週から大型連休とされていますが、相場が本格的な空白期間に入るのは来週になります。また、今週は日米の企業決算をはじめ、日・米・欧の金融政策会合や注目の経済指標の発表など、イベントが盛りだくさんのため、「イベント次第で株価が動きそうだが、休場による空白期間も気掛かり」というのが、基本的な相場の地合いになります。
まずは、いつもの通り足元の状況から確認してみます。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年4月24日取引終了時点)
あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ってみますと、全体的に弱含みの推移となりました。5営業日のうち、前日比で上昇したのは23日(木)の1日のみである他、5日移動平均線も上値を抑える抵抗となっています。その一方で、上向きの25日移動平均線がサポートして機能しており、冒頭でも触れたように株価の底堅さも見られます。
ローソク足についても、陽線と陰線が入り混じりつつ、実体(四角い箱に見える部分)の長さも短いものが多くなっているため、株価の方向性は上下ともに出にくくなっていた印象です。
続いて、前回のレポートでは「上昇ウェッジ」について紹介しましたが、22日(水)の取引で上昇ウェッジの下限の線を下抜けてしまいました。
セオリー通りならば、「もちあいパターンの下放れ」というイメージが湧くのですが、まだ上昇ウェッジが形成中であったことや、この日のローソク足の形が下ヒゲの長い陽線(トンカチ)だったこと、先ほどの25日移動平均線のサポートなどによって、株価の下落加速が回避されたと考えることができます。結果的に、週末にかけてはこの下限の線を挟んでの展開となっていますので、上昇ウェッジは一応維持されています。