注目される中国の動向、全人代の開催
その中でも、株価を上昇させるものとして注目されるのが中国の動向です。具体的な焦点は、「延期となっている全人代(全国人民代表大会)が開催されるか?」です。市場では5月下旬の開催を予想する見方が多いようですが、実際に開催されることになれば、コロナ克服を象徴するイベントとして大々的なアピールになる他、全人代では予算を決めるため、これまで実施してきた金融支援中心のコロナ経済対策に加えて、財政出動への期待も高まることになります。
足元の上海総合指数の状況を見ると、いち早くコロナのピークを越えて経済活動が再開しつつあると言われているものの、株価の戻りはあまり強くはなく、水準自体も高くありません(下の図3)。
■(図3)上海総合指数(日足)の動き(2020年4月24日取引終了時点)
それだけに、全人代の開催は国内外の株式市場にとって追い風になると思われます。
確かに、先週も海外の経済活動再開に向けた動きや、新型コロナウイルスをめぐる治療薬や抗体検査などへの期待が相場を支えましたが、こうした株価の復調は、経済再開にしても、ウイルス治療薬の開発や集団免疫の獲得にしても、市場が現時点で期待しているスピード感とはズレがある他、経済活動再開後に感染拡大となれば、「ちゃぶ台返し」になりかねず、いつ相場が崩れてもおかしくない状況であることには注意しておく必要があります。