勇み足になるか?米国の規制解除

 新型コロナウイルス関連のニュースによって相場が動く状況はしばらく続きそうですが、その中で各国の規制解除のニュースに対しては、相場は慎重な反応を示しています。

 規制解除のタイミングが早過ぎると、感染が再び拡大する恐れがあり、その結果、経済の全面再開が一段と遅れる可能性があるため、マーケットは規制解除を手放しで喜んでいいのかと疑念を持ちながら反応しているように見えます。

 米国の段階的規制解除や規制に対するデモを容認するような米政府の対応を見ていると、早晩、第2波に見舞われるのではないかと危惧します。

 各国のリーダーの対応によって、新型コロナウイルス感染者数や死者数の違いが鮮明になってきていることが話題になっています。トランプ米大統領の対応が米大統領選挙をにらんだ勇み足になると墓穴を掘ることにもなりかねず、米国の動きが懸念されます。

 反対に、ニュージーランドは死亡者が1人もいない3月25日の時点からロックダウンを決定し、新型コロナウイルス感染拡大を抑え込んだことで、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相のリーダーシップは、非常に高い評価を受けています。

 アーダーン首相は4月20日の記者会見でロックダウンを27日に一部解除する方針を表明しました。建設業や製造業など経済活動の一部再開が認められ、約50万人が職場復帰する見通しとのことです。また、レストランでは持ち帰りのみの営業再開が認められ、結婚式や葬儀も出席者が10人超にならなければ行えるとのことです。規制解除後の感染者数がどのように推移するのか注目です。規制解除後も新型コロナウイルス感染拡大を抑制していけるのならば、今後、規制解除を目指している他国の模範となります。