バックワーデーションとはどんな状態?
このコンタンゴに注意しなければならない先物型ETFには、例えば次のようなものがあります。
・国際のETF VIX短期先物指数(1552)
・One ETF 国内金先物(1683)
・WTI原油価格連動型上場投信(1671)
・NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
・WisdomTree 大豆上場投資信託(1697)
日本取引所グループのホームページにも、ETF投資のリスクとして、先物型ETFの注意点が説明されています。こちらもご覧ください。
なお、コンタンゴの逆で、期日が遠い先物価格の方が、期日が近い先物価格よりも価格が低い状態のことを「バックワーデーション」と言います。バックワーデーションが起きるのは、マーケットが荒れているときであり、平時はコンタンゴになることが多いです。
先物型ETF投資でやってはいけないこととは
先物型ETFのリスクはコンタンゴにあります。時間が経過するほど、コンタンゴの影響により価値が減少していくのです。
そのため先物型ETFは、長期保有には不向きです。この点は絶対に押さえておいてください。
例えば「国際のETF VIX短期先物指数」(1552)を紹介する運用会社のサイトには、注意書きとして、「当ファンドは、中長期的な投資(バイ・アンド・ホールド)には向きません。」とはっきり記載してあります。
実際の株価チャートを見てください(下図1)。今年3月には、VIX指数が2008年のリーマン・ショックの時と同じくらいの上昇を見せました。しかし、当ETFの長期間のチャートをみると、今年3月の上昇幅は、ほんのわずかな上昇。実際には1カ月で価格が6倍になっているにもかかわらずです。
VIX指数が過去の暴落時と同じ水準になったから、このETFの価格も過去の暴落時の価格まで戻るというわけではない点、十分に注意してください。
【図1】1552 国際ETF VIX短期先物指数 月足