勝機をどうつかむか
「相場の歴史的な暴落は人生で数少ない買い場」という基本認識に変わりはありません。しかし、新型コロナウイルス感染という問題の性質上、最善シナリオで相場が数カ月で回復するか、最悪シナリオで二番底、三番底へと1年以上低迷するか、という不確実性を解くことはできません。投資家として何も行動を起こさず、逸失利益を悔やむか、損失を被らずほっとするか、いずれも結果論としては起こりえます。しかし向こう2~3年の時間軸では、さすがに治療法やワクチンの普及を含め、新型コロナウイルス問題の終息の目処が立っているはずとの見方には、それなりの確信を抱けるでしょう。
この場合、購入の時間を分散しながら、割安になった資産を購入するバリュー投資が妥当な戦略と考えます。今回詳述した諸リスクを注意深く観察しながら、時間分散の間隔と量を調整しながら、バリュー投資のポジションを積み増していきます。
最善シナリオなら米株式から、何とか首尾よく危機回避できればやがて新興国・資源国へと投資妙味が続く可能性があります。日本株は、予想どおりの円高になると、米株より戻りが鈍くなりがちですが、視点を変えれば、後発で急速にキャッチアップする上げ相場を期待できます。こうした時間差の順を追っていくのが投資の醍醐味です。
【お知らせ】田中泰輔リサーチのウェブサイトを開設しました。