二番底模索

「経済よりも人命」と各国指導者たちが強調しているように、マーケットも経済指標よりも新型コロナウイルスの感染拡大が止まるかどうかを注視しています。感染拡大による経済への影響の深刻度が計りしれないからです。

 感染拡大がピークを迎え、拡大スピードが鈍化すれば、経済指標に焦点が移ってくるかもしれません。その場合、欧州指標よりも米国指標により反応しそうです。欧州が悪いというのは既に織り込まれているため、今後の米国経済がどの程度悪化するのかに注目が集まりそうです。

 ポジティブサプライズの結果が発表されても感染拡大がピークを迎えていなければ、二番底模索を意識した売り場提供の機会になるかもしれないため注意が必要です。

 ドル資金手当てが一巡し、期末明けの今週以降はFRB(米連邦準備制度理事会)のゼロ金利と無制限量的緩和を背景としたドル安相場が続きそうです。ただ、ドル安の動きの中でユーロやポンドは底堅い動きをしているため、クロス円は円高に行きにくい相場となっています。そのためドル/円に対しては円高抑制要因になりそうです。

 二番底模索の動きの中で株安、債券高(金利低下)、ドル安の地合いになり、クロス円も円高に動けば、ドル/円もスムーズに105円方向に動きそうです。