二番底の懸念は払拭できず

 私は、日本株は買収価値や配当利回りから見て割安で、長期的に良い買い場を迎えていると判断しています。ただし、売りが売りを呼ぶ暴落相場では、株が割安であるか否かは、無視されます。コロナウイルス感染による経済封鎖が世界中にどんどん拡大していく恐怖が収まらない限り、投資家の売りは続きます。

 先週は、たまたま需給要因で、日経平均は急反発しました。ただし、コロナ・ショックによる恐怖の連鎖は、まだ収束していません。欧米でも、日本でも、これからさらに感染が拡大し、経済封鎖による景気・企業業績の悪化は、さらに深刻になっていくと考えられます。

 したがって、このまま日経平均の一本調子の反発が続くとは考えられません。もう一度、二番底を試す局面があると考えるのが、自然です。

 公的年金の3月末に向けたリバランス買いは、3月の受渡ベース最終売買日である3月27日で終了したと予想されます。

 日銀のETF買いも、無制限に続けることはできないので、日経平均が大きく反発した局面では減少する可能性もあります。

 外国人投資家による先物の買い戻し圧力も、徐々に低下する可能性があります。また、日経平均が下がれば増える、個人投資家の買いや、上場企業による自社株買いも、減少する可能性があります。

 コロナ感染による景気・企業業績の悪化が一段と深刻になってくれば、もう一度、日経平均が下値をトライする局面があるかもしれません。

長期投資で買い場の投資判断を維持

 日本株は割安で、長期投資で良い買い場を迎えているとの判断は変わりません。ただし、短期的に二番底をトライするリスクが残っていることは注意すべきです。

 短期的な下値リスクに注意しつつ、リスクを適切に管理しながら、日本株を時間分散しつつ買い増ししていくことは、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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