ドル/円理論値(筆者の計算)を、1ドル110円から100~103円に変更

 過去3年、私は、購買力平価と日米金利差2%を前提に、ドル/円の理論値は1ドル=110円と言ってきました。ドル金利が1%を割れたこと、新型コロナショックが終息しても米金利は2%に戻らないと考えられることから、見方を変更します。

 ドル/円理論値は、暫定1ドル=100~103円と円高方向に修正します。今後、ドル/円は1ドル=95~105円の範囲で推移すると予想します。

 米金利が低下しても、一時的低下で、先行き元に戻ると考えるならば、ドル/円の理論値は修正しません。今回の金利低下は、一時的ではなく構造的と考えていることから、理論値の計算が変わります。

 米金利は、米景気に不安が出てきたことで一時的に低下しているとは考えていません。世界的に進む、金利のジャパナイゼーション(日本化:構造的な金利低下)に、米国も飲み込まれたと考えています。

 新型コロナショックが終息すれば、世界景気が回復し、世界的に株が急反発すると予想されますが、それでも、米2年金利はもう2%まで上昇することはないと予想しています。

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