日米金利差とドル/円の関係を見てみよう

 2008年以降の動きを見ると、おおむね2年金利差とドル/円は連動してきたことがわかります。ただ、厳密にいうと、以下のように、細かい相違があります。

◆2008~11年:日米金利差の縮小にしたがって、円高(ドル安)が進行。

◆2012~15年:日米金利差が少ししか拡大していないのに、大幅に円安(ドル高)進行。日本が大規模緩和で円安を進める間、米国が円安を容認していたため。

◆2016~18年:日米金利差が拡大する中で、円高が進む。2016年は、米政府から円安批判が出たことが円高要因に。その後、貿易戦争の不安が高まったことも、円高要因。2016~2018年は、2012~2015年の「行き過ぎた円安」に、修正が起こったと見ることもできる。

◆2019~20年: 日米金利差の縮小を受けて、円高進む。

 まとめると、ドル/円は以下の通り、日米金利差に沿って動きつつ、政治の介入によってトレンドラインから離れて円安が進んだり、急な円高に転じたりしていることがわかります。

【再掲】日米の2年金利差と、ドル/円為替レートの推移:2008年1月~2020年3月9日

出所:楽天証券経済研究所が作成