中国景気は過去最低の水準に

 2月29日(土)に発表された中国の2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が35.7と、景気の上向き・下向きの分岐点である50を大きく下回り、さらに前月より14.3低く、リーマン・ショック直後の2008年11月(38.8)をも下回り、過去最低となりました。新型コロナウイルスが中国経済に深刻な打撃を反映した数字となりました。

 今後、相次いで各国の2月分経済指標が発表されます。悪い数字が発表された場合、さらなる株安、円高が続くのかどうか。あるいは、新型コロナウイルスの影響によって経済が一時的に止まっているだけで「需要の先送り」と悪い数字は予想の範囲内と判断し、マーケットは冷静な反応をするのかどうか、注目です。この中国PMIの数字を見て、まだ30台をキープしているのは予想よりも良かったことと楽観的な見方をするエコノミストも現実にいます。

 パウエル議長は、記者会見で「新型コロナウイルスの影響がどれくらいの規模でどれくらい続くかは極めて不透明で、状況は依然流動的だ」と発言しており、今の状況はパウエル議長も悩ませる状況です。この感染拡大が長引けば長引くほど経済への影響も長引きますが、感染拡大のペースが緩やかになれば、経済活動の回復率も上がってくることが期待されます。

 安倍晋三首相は感染拡大のペースを抑えるために、あと1~2週間が重要局面と国民に説明しています。じっと見守り、新型コロナウイルスが早く終息していくことを期待したいものです。